いよいよIS-LMモデルを使ったアベノミクスの分析に入っていきます。
まず流動性の罠にはまった、アベノミクス以前の日本の状況をIS-LMモデルで表現してみます。

図047_流動性の罠(IS-LMモデル(i))
まずLM曲線に注目してください。名目利子率=0%の線におしつけられたような形になっています。これは日銀が量的緩和でジャブジャブに貨幣供給しているため、所得(=産出)が増加して貨幣需要が増えてもなかなか利子率の上昇につながらないと考えられるためです。そしてIS曲線は左下のほうにちぢこまっています。
さて、このグラフにはもう一つ重要な線を書き込んであります。縦の赤い点線で表されている潜在産出量の線です。くわしくはこの記事に書きましたが、潜在産出量とは長期的な均衡状態で(価格や賃金が変動して)実現される産出量です。あるいは自然失業率(いくら景気がよくてもより高い給料や自分にあった仕事をもとめて職探しをしている人たちが一定の割合でいるので失業率はゼロにはならない)や、生産設備の稼働率が100%に近い状態で実現できる産出量という説明もできます。産出量がこの線より右にあれば好況、左にあれば不況ということになります。
潜在産出量とIS曲線はこのグラフ上では交わることがありません。E1での産出量と潜在産出量の差が不況ギャップです(内閣府の推計では2012年10-12月期で▲3.0%=年間約15兆円だそうです)。

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ついにアベノミクスの第1の矢「大胆な金融緩和」がその姿をあらわしましたね。いくら3人の日銀総裁・副総裁が大胆な緩和を主張しても、白川総裁の時代からいる6人の審議委員に反対されるのではと心配していたのですが杞憂でした。ていうか審議委員の人たちはそんなにコロッと意見を変える節操のない人たちなんですか?って思ってしまいましたが...(笑)

つづく

2013/4/13
修正して再公開しました。